サミット登壇者決定!社会課題解決に向けた想いを18名がプレゼン ー東北ソーシャルイノベーションサミット2026「SEED PITCH」選考イベントレポートー

サミット登壇者決定!
社会課題解決に向けた想いを18名がプレゼン
ー東北ソーシャルイノベーションサミット2026
「SEED PITCH」選考イベントレポートー

2025年11月9日(日)13時より、INTILAQ東北イノベーションセンター(仙台市若林区)にて、「東北ソーシャルイノベーションサミット2026『SEED PITCH』選考イベント」を開催しました。

本選考会は、社会課題の解決に向けた事業プランを発表する「東北ソーシャルイノベーションサミット(TSIS)」(2026年2月開催)への登壇者5名を選抜するものです。選考会当日は、熱い想いを持つ18名が、会場とオンラインから登壇。子どもの貧困や孤立、不登校、教育、福祉、メンタルケア、持続可能な農業、環境保全など多岐にわたる社会課題への想いや、事業・活動のアイデアを発表しました。

【開催プログラム】
ー 開会挨拶、本プログラムの趣旨説明
ー 登壇者によるピッチ
ー 選考結果発表、総評


社会課題解決へのチャレンジを継続的に応援

はじめに、仙台市経済局 イノベーション推進部 スタートアップ支援課 創業支援係 今野係長が登壇。

「この選考会はアイデアやビジョンの優劣を決めるものではありません。発表いただくそれぞれの取り組みに、意義があると考えています。

仙台市では、今回のチャレンジを、次のステップへのきっかけにしていただきたいと願っています。今後の挑戦をサポートするプログラムや相談会を用意していますので、選考結果に関わらず、積極的にご活用ください。

また、この場には想いを持った方々が一堂に会しています。今日の出会いを、事業に役立つような情報交換や、志を同じくする仲間づくりに繋げてください」と登壇者に向けたメッセージを送りました。

(仙台市スタートアップ支援課 今野係長)

次に運営を行うINTILAQの本多プログラムディレクターより、プロジェクトや本選考会の位置付けなどを説明しました。

「本選考会は、知る・学ぶ・磨く・広げるの4つのステップで社会課題解決を目指す方々の背中を押す『SENDAI SOCIAL SEED 2025』プロジェクトの一環として開催しています。選抜された方々はこれから始まる『スタータープログラム』を経て、最終発表の場である東北ソーシャルイノベーションサミット(以下、サミット)へと進んでいきます。」

「スタータープログラム」は、サミットの登壇に向けた、約2ヶ月間の短期集中サポートプログラムです 。先輩起業家であるメンターが伴走し、事業ビジョンやプレゼンテーションを磨き上げ、サミットでの発表、そしてその先の事業成長を後押しします。

『SENDAI SOCIAL SEED 2025』プロジェクトの流れ


「東北ソーシャルイノベーションサミット」へ挑む5名が決定

その後、登壇者18名によるプレゼンテーションが始まりました。登壇者は、これから事業を立ち上げる方や、起業直後で自身のビジョンを社会に発信したいと考えている方々です。

一人あたり5分の持ち時間の中で、それぞれが社会課題とその解決策へ込められた熱い想いを発表しました。

審査員(左からINTILAQオペレーションアソシエイト神尾氏、プログラムディレクター本多氏、センター長 佐々木氏)、仙台市スタートアップ支援課 今野係長

続いて、4分の質疑応答が行われました。審査員からは事業への想いや、時に社会課題の要因を掘り下げるような鋭い質問もあり、登壇者達の真剣に答える姿がありました。

18名の発表が終わると、審査員による選考を経て、いよいよ結果発表です。

ここからは、選抜された5名と、その発表の様子をご紹介します。

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【選抜者 5名(発表順・敬称略)】

金澤 展嗣  進路支援サークル進活あおもり 代表
「『聴く』を社会に増やす!語りが生み出す自己実現の場~」

進学の悩みから、学生時代に引きこもりを経験したという金澤さん。子どもも大人も、本音で語り合う機会や経験が減っていると課題を感じ、サークルを立ち上げ活動しています。

「当時の自分を振り返ると、誰に話したらいいか分からなくてつらかった。全ての人が当たり前に相手の話を聴き、語ることで自己実現に向き合える社会を目指したい」と会場へ想いを届けました。

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川田 京助  みちのメンタル 代表
「メンタルヘルス事業で東北を元気に」

先輩を亡くした経験から、メンタル不調に苦しむ方と、それに伴う悲劇をなくしたいと語った川田さん。解決に向けたサービス開発にも既に取り組んでいます。

「心の状態をワンタップで可視化し、予防と救済など、状況に応じて最適な専門家へ繋がるサービスを、必要な人に届けたい。この挑戦を本気で進めるため、プログラムに応募した。目指すのは大切な家族や友人が共に笑顔でいられる未来」と熱くプレゼンしました。

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中川 香苗  こどぷら 代表
「宮城の不登校問題を協育で解決する!」

仙台市の屋内遊び場づくりや自治体への提言活動を進めてきた中川さん。次に解決を目指す課題は、「子どもが自分らしく学べる場の少なさ」です。

「不登校や選択的登校の子どもが増える一方で、安心して通える民間フリースクールはまだ少なく、地域や行政だけでは支えきれない。『共助型フリースクール』や、家庭と地域がつながる『共育コミュニティ』を通して、子どもが自分の未来を描ける社会を実現したい」と展望を語りました。

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中野 柊一郎 一般社団法人manaco 代表理事
「宮城の子どもたちがひとりぼっちにならず、明日に希望を持てる社会をつくる」

教員を志し進学したものの、コロナ禍の子どもたちが学びや交流の機会を失い、不安を抱えている姿を目の当たりにしたという中野さん。仲間と学生団体を立ち上げ、オンラインで学習支援などを続けてきました。

「オンラインでも安心できる居場所となり、子どもたちの意欲や自己肯定感が育まれることを実感した。宮城の子どもたちが生きづらさを一人で抱えることなく、未来に希望をもてる社会を実現したい」と力強く決意を語りました。

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久保 穂ノ花 宮城教育大学院 学生/子ども食堂 えむわんず 代表
「負の連鎖は私が終わらせる・笑顔広がる居場所づくり」

自身の幼少期の経験などから、「自分のように苦しむ子どもを減らしたい」「安心できる居場所をつくりたい」と強い想いを抱いたという久保さん。教員免許を持つ仲間とともに、学習・食事・体験を柱にした居場所づくりの活動を続けています。

「負の連鎖は私が終わらせ、笑顔の連鎖をここから広げる。すべての子どもが今も未来も笑顔でいられる社会の実現を願い、歩み続けていく」と語ったその言葉には、たしかな想いが込められていました。(オンライン参加)

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その他にも13名が登壇し、プレゼンテーションを行いました。

【その他の登壇者(発表順・敬称略)】

小林 顕子 一般社団法人Soil 代表理事
齋藤 佑樹 株式会社カンテラ仙台 代表取締役
千葉 なほ子 東北工業大学
田畑 香菜 個人事業主
須貝 祐美 skyillee 代表
渡邉 利典 株式会社RUNDY 代表取締役
熊谷 ゆう子 一般社団法人まるごとラボ 代表理事
鹿野 深幸 食事栄養指導者
    (分子整合医学美容食育協会認定 ファスティング指導者・健康美容食育士)
三浦 光子 盛岡こども若者カウンセリングルーム 代表・カウンセラー
池田 崇 株式会社グッジョイ
宮崎 典子 GARDEN of RIVER, SENDAI project
豊田 舞子 sitoa(個人事業主)
安田 美央 個人事業主オトノワコネクト 代表

プレゼン中の1コマ

審査員、登壇者が見守る中プレゼンテーションを実施


審査員が感じた想いと、3つの審査ポイント

結果発表後、審査委員長であるINTILAQの佐々木センター長より総評を述べました。

「今回は『社会課題の捉え方』『想いの強さ』『プレゼンテーション』の大きく3つのテーマで審査しました。想いの強さは皆様から感じられ、プレゼンテーションにも現れていましたが、採択の分かれ目となったのは『社会課題の捉え方』と考えています。なぜその課題が起きているのか、要因は何か。しっかり掘り下げることが解決策に説得力を持たせ、ストーリーとなって共感を呼び、より大きな展開ができると確信しています。素晴らしい発表ばかりで審査は難航しましたが、採択されなかった方々も個人的に応援したい方が多く、今後の大きな可能性を感じることができました」

と、参加者へのフィードバックとエールが送られました。

最後に、仙台市経済局 イノベーション推進部 スタートアップ支援課 創業支援係 今野係長が登壇しました。

「一緒に解決させていただきたいという社会課題ばかりで、一人ひとりの発表に心が揺さぶられました。2月のサミットでは、登壇できなかった方にも活動紹介の機会や交流の場をご用意しますので、ぜひご参加いただき、ネットワークを広げてほしいと思います。また選抜者以外も、ワークショップや個別相談に参加できますので、事業のブラッシュアップ機会として活用してください」

と述べ、会を締めくくりました。


想いをかたちに、次のステップへ

選抜された5名は、これから始まる「スタータープログラム」に参加し、アイデアや事業プランを磨き上げていきます。社会課題の解像度を高め、ビジョンを明確に言語化することで、最終発表の場である2026年2月11日「東北ソーシャルイノベーションサミット」での「SEED PITCH」での発表に向けて準備を進めます。

サミットでは、「SEED PITCH」のほか、著名なキーノートスピーカーによる講演、インパクト拡大を目指す「TOHOKU SOCIAL IMPACT BOOSTER」のプログラム採択者による発表も予定しています。どなたでもご観覧いただけます。オーディエンス投票や交流を通じて登壇者の挑戦に「参加」し、未来を応援する仲間をお待ちしています。

(写真上:久保さん、手前左から:中野さん、川田さん、金澤さん、中川さん)

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東北ソーシャルイノベーションサミット 2026
~社会課題に挑む登壇者の“想い”と“事業”がつながる場~

日程:2026年2月11日(祝)
会場:仙臺緑彩館
定員:150名

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主 催:仙台市
運 営:一般社団法人IMPACT Foundation Japan(INTILAQ東北イノベーションセンター)
*本事業は、仙台市による「R7年度・社会起業家支援事業」として開催しています。

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